【定期調査】薬機法・景品表示法違反の恐れがある広告表現の配信実例

薬機法チェック事業を手がける株式会社REGAL CORE(東京都渋谷区、代表取締役社長:田之上 隼人)は、薬機法・景表法などの法令違反になり得る表現を伴う記事LP(ランディングページ)[1]の広告配信状況に関する調査を定期的に実施しています。その結果をご報告いたします。

調査結果

前回に続き、今回調査した記事LPでも薬機法・景表法上問題となる可能性が高い内容の配信が多く確認されました。特に薬機法の観点から法令を逸脱していると考えられうる訴求表現について、業界課題とともに以下詳細をまとめています。

調査結果に見る業界課題

薬機法では、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事の広告等は禁止されています。また未承認医薬品の広告を禁止、つまり健康食品において医薬品のような効果を謳うこと等も禁止しており、規制の対象は「何人も」として定めています。

つまり広告主だけではなく、広告代理店、プラットフォーム事業者、さらには実施に広告を掲載する媒体等、広告に関わる誰もが規制の対象となっています。(今回調査対象としているWEBメディアだけでなく、SNSなども同様に対象となります。)

上記のような法律がありながらも、薬機法違反となりうる表現が含まれた広告が配信されているという実態について、前回の調査リリースでは広告主、広告代理店において「アフィリエイト」という仕組みの中での課題を発信してきました。しかし弊社としては以下のような構造も、法令違反となりうる表現が、広告に多く使用されてしまっている理由のひとつだと捉えております。

WEBメディアなどの媒体が広告配信をする主要な流れとして、広告主や広告代理店が直接広告枠を買い付け広告が配信される流れと、WEBメディアと広告主や広告代理店との間に、SSPやアドネットワークなどのプラットフォーム事業者を通し広告が配信される流れがあり、後者がその多くを占めるような状況となっております。 

プラットフォームを利用するケースでは、媒体に配信されうる広告の種類は多岐に渡ることが一般的です。そのためWEBメディア側が配信される広告のすべてを把握し、管理することが難しいという実態もあるのではないかと考えております。
弊社の調査では、法令を違反している表現を含む広告の配信比率が少ないWEBメディアも一部存在していることを確認しております。ただし配信広告に関してWEBメディアが一定のルールを設け、配信する広告を調整している場合であっても、完全に薬機法を遵守した表現のみの広告だけが配信されるという状況を作ることは困難です。

ルールがある場合でも完全に法令遵守することが難しいため、配信広告において一定のルールなどを設けていないWEBメディアの多くの場合においては、利益のみが重視されてしまうと、プラットフォーム事業者としても利益が出やすいような法令違反となりうる表現を含む広告をより多く配信してしまう構造になってしまっているのではないかと考えております。

今後の方針

当社としては、法律を遵守した健全な広告がユーザーに届けられる状態を実現することが、ユーザーを守る観点だけではなく、WEB広告業界全体の発展にも不可欠だと考えており、今後におきましても、業界全体の広告水準の現状把握をさらに深めるためにも本調査への注力度を高めていきます。

調査詳細

調査方法

調査期間:2023年4月~2023年5月
調査対象:WEBメディアに掲載されるレコメンドウィジェットの記事LP
調査方法:半月毎に対象メディアの掲載広告商品の記事LPを把握。その表現内容について薬機法や景表法をもとに独自に作成した約90項目の審査基準により評価。

指摘内容詳細

調査対象期間において特に薬機法の観点から、法令を違反していると考えられうる表現を含む記事LPの一部をまとめています。[2]

具体的には、以下訴求表現を多く確認しています。

  1. しみやしわに関する商材において、承認を受けていないにもかかわらず、あたかもしみやしわが改善されるような効能効果表現をしているもの(Before After画像を用いた体験談風訴求含む)。
    例:シミが消えた、シミが消滅、シミが無かったように、シミの洗剤/漂白剤、(画像と組み合わせて)シミがキレイになった、等
  2. 健康食品に該当する商材において、医薬品的効能効果表現(薬機法)や誇大広告(健康増進法)もしくは優良誤認(景品表示法)と捉えられる表現をしているもの、つまり飲むだけで痩せるかのような表現や、BA画像との組み合わせで過度に痩せるという表現をしているもの。
    例:必ず痩せることができる、脂肪便を排出させる、代謝を上げてくれる、脂肪を燃焼させる、痩せ体質になれる、2週間で13.1kgの減量、等

  3. 育毛に関する商材において、カラーシャンプーや白髪染めではないにもかかわらず白髪が減ることや黒髪だけを生やすなどの承認外の効能効果表現をしているもの。
    例:白髪がなくなる、白髪が減った、白髪ゼロ、白髪への効果を実感、黒髪育毛術(白髪が生えなくなる趣旨)、メラニンを生成、等

訴求の具体例および指摘概要

事例1
事例2
事例3
事例4

今回指摘の該当となる表現については、すでに修正をしている事業者様もいます。今後においても状況に変化があった場合は随時内容を更新いたします。
また当社は、2022年8月以降継続して調査を実施しており、調査結果の報告においても継続してまいります。

[1] 記事LP:WEBメディアに掲載される記事風の広告ページ
[2] 商材ではなく、その広告表現の内容を問題視し例として記載

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